La Sarthe
ベントレーボーイズとサルト・サーキットの残像
1950年代のベントレーがリアルスポーツカーを創っていたならば……
1920-30年代に、ベントレーボーイズとともにル・マン24時間レースを何度も制覇したW.O.時代のベントレー。そして、1939年に製作されつつも、戦後の'49年ル・マンにて値千金の総合6位入賞を果たしたベントレー “エンブリコス・クーペ” 。サルト・サーキットにおいてベントレーが遺してきた足跡は、ほかに例を見ないほどに輝かしいものです。一方、第二次大戦後のベントレー初の市販モデル、Mk6および改良型Rタイプは量産型の4ドアサルーン。
そしてRタイプをベースに開発された “Rタイプ・コンチネンタル” は、21世紀のベントレーにも絶大な影響を与えた歴史的名作ですが、時代の要請でフル4シーターのグランドツアラーに仕立てられていました。そこで、BENSPORT LTD社が着想したのは、Mk6/Rタイプのコンポーネンツを流用した2シーターのリアルスポーツカーを、当時のベントレー社に成り代わって現代に蘇らせようというユニークなアイデア。すべてアルミで製作される軽量ボディはH.J.マリナーのRタイプ・コンチネンタルにインスパイアされつつも、よりピュアなスポーツカースタイル。 “ファストバックサルーン” というよりは “ファストバッククーペ” となりました。La Sartheとは、ル・マン24時間レースの舞台となるサーキットの名前。1950年代のベントレーが創ることを許されなかった真にスポーティなベントレーを現代のテクノロジーで再現する……、という意欲的なコンセプトを体現したものなのです。