1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton

1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton

Sales Price:お問い合わせ下さい

Zoom Image 画像をクリックして拡大写真をご覧ください

  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton
  • 1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton

1930 Rolls-Royce Phantom II Continental DHC by Carlton   Information

 年式1930
 メーカーRolls-Royce
 モデルPhantom II Continental、右ハンドル
 コーチビルダーCarlton
 ボディータイプD.H.C
 ボディーカラーlight-gray
 内装グレイ革
 gray
 付加情報 
 

要約:1930年代のロールス・ロイスの主力車種であったのがファンタムII。6気筒7.7リッター・エンジンはファンタムIから受け継いでいるが、新しいシャシーは低くなったし、カンチレバー式に換えて半楕円リーフのリアサスペンションとしたことで、プロポーションがモダンなものになった。欧州大陸での平均速度の高いクルージングに備えてエンジンの圧縮比を高めたコンチネンタルと呼ばれるモデルも用意され、これは現代のクラシックカーの世界で高い人気を集めている。このカールトン製のDHCは今年(2021)8月のペブルビーチ・コンクールに出品される。

サンフランシスコ国際空港からハイウェイ101を南下、ガーリックの産地として知られるギルロイで152号線に分岐する。やがてワトソンビルでカリフォルニアの海沿いを走るハイウェイ1(ワン)に合流、その後30分ほど走ると、カーメルの町に着く。その北方に位置するペブルビーチはアメリカでも有数の美しさで知られるゴルフ場を中心として、松林の中に落ち着いた住宅地が広がり、海には野鳥とシーライオン(トド)が、林の間からは鹿のファミリーが姿を現す、という別世界である。別世界というのは、周囲のカリフォルニアの風景から切り取られたような世界ということでもあって、ペブルビーチに入ろうとするには何か所かに設けられたゲートを通過しなければならないのである。観光でここに入ろうとする場合はそのゲートで10ドル何がしかの通行料を支払う必要がある。そうして外界から切り離されたところにあるのが、ペブルビーチが持つ第一の特徴といえるだろう。

ペブルビーチのゴルフコースは長い歴史を持つが、1950年からはそこの18番グリーン上でクラシックカーのコンクール・デレガンスが始められた。最初のうちこそ芝生の上にまばらにクラシックカーが置かれている、という様子であったのが、次第に盛んになって、現在では世界最高峰のコンクールと言われるようになっている。まずそのロケーションがすばらしい。18番グリーンは太平洋の入り江に沿っていて、海はいつも穏やか(荒れたのは見たことがない)に凪いでいるし、運が良ければラッコの姿を見ることができる。この入り江がラッコの生息域の南限なのだ。

朝はたいてい霧に包まれ、コートが必要なほどに寒い。その霧が晴れてくると強烈な日差しにさらされる。ただ、空気は心地よく乾燥して、言ってみればさわやかな暑さである。その強い日差しに芝のグリーンが映え、そこに次々に由緒正しいクラシックカー達が並べられるのである。注目すべきは自動車だけではない。テントの下に並ぶ名誉審査員たちも、アメリカのメーカー各社を始めとして、ダイムラー・ベンツ、ジャガー、イタリアのカロッツェリアなど、有力な会社のチーフ・デザイナーが顔を揃えているし、フィル・ヒルというアメリカのチャンピオン・ドライバーも生前はその常連のひとりであった。

だから世界中のクラシックカー・オーナーたちは、所有する車をこのペブルビーチ・コンクールに並べることを願っている。そのためには、毎回山を成す申し込みの中から選ばれなければならない。そして午前中に審査が行われ、各クラスの1位~3位が選ばれる。その日の最高賞であるベスト・オブ・ショーは各クラスの1位の中から、毎回1台だけに与えられる名誉である。だからその最高賞をとったオーナーは生涯最高の笑顔を見せるものだし、その車のレストアを行った工房は、周囲からその技術やセンスに対して、改めて評価と尊敬を集めることになる。ペブルビーチ・コンクールというのは、それだけの格式を持った世界なのである。

ワクイ・ミュージアムは2019年のベントレー特集に際して、ペブルビーチ・コンクールから招待を受け、1921年のベントレー3リッターを出品した。章典外の特別展示であったが、主催者から招待を受けるというのは、格別に名誉なことである。昨2020年も続けてロールス・ロイスの特別展示に合わせ、ファンタムIIが招待されたのだが、コンクールそのものが新型コロナの影響で中止された。その招待は今年に引き継がれたので、1930年のファンタムIIはそれに間に合うように送り出されたところである。

ファンタムIIは1929年にファンタムIの後継車として登場した。もっとも、ファンタムIという車名はファンタムIIが登場した後に言われるようになったもので、当時は単にニュー・ファンタムと称されるのが普通であった。そのファンタムIIの登場の1929年というのは世界恐慌のおこる年に当たるから、高級車にとって困難な時期に生を受けたことになる。ファンタムIからIIへの移行は6気筒7.7リッターのエンジンはほぼ流用、改良の主眼はシャシーに置かれた。セパレート・シャシーを新設計(1922年登場の20HPモデルの設計が生かされている)すると同時に、カンチレバー方式であったリアサスペンションを一般的な半楕円リーフに置き換えている。

これで車高を下げることができるようになったことから、ファンタムIIのプロポーションはモダンな印象のものとなった。また、デビューの翌年にはロイス卿の意向によって高性能仕様が作られる。欧州大陸で自動車用の道路が整備されてきたことから、高速巡航を考慮したもので、圧縮比を上げると同時にキャブレターをひとまわり大型化することによって、性能を向上させ、サスペンションにもそれに応じた改良が加えられた。このモデルはファンタムIIの2種類のホイールベースのうち、短い方が用いられることが基本であったという。最初のモデルはコーチビルダーのバーカーの手によって2ドア・ドロップヘッドのボディが架装された。またそのボディは美しいブルーの上にクリアの塗装が重ねられ、真珠貝のような輝きを持っていたという。この高性能仕様には、コンチネンタルという名称が与えられた。そしてこれは戦前のロールス・ロイスの中でも、最も魅力的なモデルであると、今日でも高く評価されている。

今回ペブルビーチに向けて送り出されたファンタムIIは初期のコンチネンタル仕様の1台である。この時代、まだメーカーではシャシーの状態で送り出し、それにコーチビルダーがボディを架装するのが通例であった。従ってクラシックカーとして現代まで受け継がれているファンタムIIも、どのコーチビルダーのどのようなスタイルのボディであるか、ということによって評価が別れる。この1930年モデルはロンドンにあったカールトン製作の、プロポーションの良いドロップヘッド・クーペである。カールトンがボディを架装したロールス・ロイスは50台ほどといわれるが、彼らが得意としていたのはこうしたスポーティーなドロップヘッド・クーペであったのである。

この8月、ペブルビーチの青空と緑の芝生に、カールトン製DHCは美しく映えることであろう。


 

PAGE TOP

 

無断で記事・写真の転載を禁じます
Copyright ©  WAKUI MUSEUM All Rights Reserved.